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zoom RSS 折りたたみ自転車のフレーム折損問題を考える

<<   作成日時 : 2015/09/22 19:13   >>

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今年3月に、毎日新聞で自転車:走行中突然ボキッ 転倒し重傷 訴訟にという記事が出たのは、覚えていらっしゃる方も多いでしょう。

問題になったのは、Doppelnganger 703 Laidbackというモデル。いわゆるフルサス折りたたみ車でありながら、比較的低価格で発売していたモデルです。

とはいえ、発売元のビーズ株式会社によるリリース当社製品に関する一部報道についてでは、

  • 同型品すべて、或いは特定の生産ロットにおいて、一定の安全基準が不足していないかを確認するために複数生産ロットに跨る市販品を対象として抜き取り、日本工業規格(JIS)に定める自転車フレーム強度に関する検査を国内の第三者機関に依頼し実施しました。結果、検査車両13台全てにおいて検査基準に合格する結果となっております。
  • より高い基準での検査を行うため「マウンテンバイク類型車」の基準を適用しました。また、とくに前述の報告書にある同生産ロットの検査においては、検査車両 1 台に対して耐振性試験および疲労試験を実施する厳しい基準を設けた上で検査を行い、これについてもすべて合格を確認しております。

とのコメントが出されています。

自転車の不具合は、特定の型式全般の問題か⇒特定の製造ロットの問題か⇒特定個体の問題か⇒その特定個体の整備もしくは使用にかかる問題か…という形で切り分けていくことになります。このドッペルギャンガー自転車に関しては、特定個体の問題であるという切り分けがなされ、製造物責任法(PL法)第3条では、製造物による損害賠償の責任が製造業者等にあると定められていることから(民法709条と違い、故意又は過失があったことの立証を訴える側が行うまでもなく)、会社が補償するものとなったようです。

一方、Tern(ターン)は2年前に一部モデル(Verge上位モデル)のフレーム回収・交換対応を実施していた(参考:お客様へお詫びとフレーム自主回収についてStile Products Recalls Tern Folding Bicycles Due to Fall Hazard )ところですが、今年5月になって再度Verge上位モデルと、加えてEclipse上位モデルのフレーム回収・交換対応のアナウンスがありました(参考:2013年モデル自主回収と交換に関するお詫びとお願い

先日、国民生活センターが今回の回収対象となったモデルの不具合について、原因調査結果を発表しており(走行中にフレームが破断した折りたたみ自転車−輸入代理店がフレームの回収と無料交換を実施しています−)、同問題が再び注目を集めているようです。
調査結果を要約すると、

  • 亀裂発生部分と考えられるヒンジ側の溶接部において、溶接部には未溶着面があり、亀裂はこの未溶着面の端から発生していた。
  • 当該品はパイプ材とフランジの溶接が適切でなかったため、未溶着面の先端が起点となり、疲労亀裂が進展して接合面積が減少し、折りたたみ部にかかる荷重に耐え切れずに破断したものと考えられた。

ということになります。

TernのVergeプラットフォームなどでは、7005というアルミ合金を使っているのですが、この素材は普及モデルのLINKなどで使われている6061というアルミ合金に比べると強度に優れており、より軽量な構造物を作るのに適しているわけです。とはいえ、溶接にはかなり高度な技術を要するということのようです。Ternの自転車は、自社系列の工場を持っているDAHONとは違い、基本的には委託生産ということのようですが、委託先の製造工程管理に問題があったということでしょうか。

一般的に、EN規格(欧州規格)での試験を実施してパスしたという報告が製造元からあれば、国内でわざわざJIS規格に基づく強度試験などは実施しなくても…という感じの輸入販売事業者は、案外少なくないのかもしれません。しかし、万全を期すのであれば、独立検査機関などによる試験の実施することが、事故の未然防止につながるのではないかと思われます。
(Ternの現行モデルについては、全てJIS規格に基づく強度試験をクリアしたとのことです。)
ヴァクセンの場合、日本車両検査協会(VIA)での試験を定期的に行っているそうです。)

ところで、自転車に関する不具合の情報は結構多いらしく、発売元が自主回収・交換を実施するケースも、大手ブランドを含めてかなりあるようです。なので、一概に、どこの自転車が安全で、どこの自転車が危険か…とは言えない気がいたします。もちろん、SBAABAASGといった認証マークを得ているモデルであれば、一定の安全性は担保されていると考えて良いとは思われますが、それでも、自転車の取扱そのものを誤れば事故につながります(スポーツ用自転車の取扱いに注意―構造と使用方法をよく理解しましょう―(国民生活センター))。

あと、以前自転車産業振興協会でとりまとめた折りたたみ自転車長寿命化設計でも書かれていますが、

  • 砂利道
  • (急な)坂道登り
  • 急制動
  • 段差降り・上り
  • 点字ブロック

などの走行は、折りたたみ自転車の寿命を縮めることになるので、極力避けるべきでしょう。歩道は走らないのが基本…ということですね。
なお、アルミニウム合金フレームよりは、鉄系合金であるクロモリ(クロムモリブデン鋼)のフレームのほうが丈夫ではありますが、車種がかなり限定されてしまうのが難点です。

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